ホーム大会長あいさつ

大会長あいさつ

54回大会開催にあたって

 

4年ぶりに神戸国際会議場にて大会を開催いたします。多くのご施設の方々のお力添えにより、206題の一般演題のご応募をいただきました。厚く御礼申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査機器と試薬を企業の皆様が迅速に開発し、各施設がいち早く導入し検査したことで、COVID-19の診療と感染対策が行えました。その際に行った科学的な検証などについて一般演題の36題で報告されているように、COVID-19においても本学会ならびに臨床検査が果たした役割は大きかったと感じています。そこで、大会のテーマを「医療を支える科学的な臨床検査」としました。

 特別講演は、大阪大学医学部附属病院医療情報部長から国立病院機構大阪医療センター院長になられた松村泰志先生に、臨床検査データを扱う私たちにとって非常に興味深い、「医療データの流通と利活用の時代に向けて~未来医療の姿と実現のための課題~」をご講演いただきます。さらに、金沢大学長の和田隆志先生に、理事長講演「バイオマーカー開発と産学連携への期待」、まさに本学会を象徴する内容でご講演いただきます。

教育講演は、山口大学の市原清志先生に、「臨床検査分野で必須の統計処理法と活用の要点」をご講演いただくので、やや苦手な方も多いと思われる統計処理についての理解が深まれることを期待します。また、慶應義塾大学病院の横田浩充先生にご講演いただく「臨床検査技師,自身の振り返りと後輩へのメッセージ」は、特に若手の技師には聴いていただきたいと思います。

シンポジウムでは、溶血検体・混濁検体の測定、尿一般検査の精度管理、甲状腺検査、臨地実習について、モーニングセミナーでは、生化学・免疫検査と血液・凝固検査の再検査について取り上げました。

 例年通り、日本臨床検査機器・試薬・システム展示会(JACLaS EXPO 2022)と同時開催となりますので、最新の検査機器などを見て触れる良い機会になります。さらに今回は、第17回アジア臨床病理・臨床検査医学会(ASCPaLM)と同時開催となりますので、アジア諸国の方々との交流も楽しみです。

 学術集会への参加の制限がない状態が続くと思いますので、多くの皆様が会場に来られることを楽しみにしています。

 

日本医療検査科学会第54回大会長

日高 洋